2010年 09月 28日
しごと |
雪崩関係の仕事の話
最近スノーセーフティの仕事もやるようになった。担当者がやめてしまったからだが、人が補充されないから仕事が増えただけだ。でもやってみたかった仕事だから増えてもうれしい。
朝5時半に定点観測所で気象観測し、インターネットのinfoexという情報交換サイトに入力。 定点観測所
積雪安定予測および評価を所定のシートに書き込む。
雪崩管理が必要ならパトロールスタッフとミーティングし管理プランを立てる。
7時ごろ、ハイクアップを開始し、爆発物かスキーカットによる雪崩管理に入る。 ハイク中の新人ベンくん19歳
久しぶりの自作2Lミルクボトル爆弾。導爆線と雷管をセットし後はプルワイヤー(点火装置)を引くだけ。ワクワク
エリアの安全が確保されたところから順次開放し営業に入る。
営業中は気象状況(降水、日射、気温、風向き等)に気を配り、スノーピット等を掘りながら、積雪情報を集めながら場内をパトロールする。積雪、気象状態に変化があり、必要があればエリアの閉鎖をして安全を確保する。
だから状況によって朝開放し、日中閉鎖、夕方開放するということもよくある。
常時閉鎖のエリアを作ってしまうとお客さんから信用されなくなり、クロージャーを無視する人がでてきてしまう。クロージャーといっても看板が立っているだけだけど。 看板を越えて、雪崩管理に向かうケビン
でも見えないロープが張ってあるの?ってぐらいクロージャーを守る。守らない人がいたら出て行ってもらうだけだけど。
夕方スキー場を閉鎖した後、定点観測所で気象観測をして、今日集めてきた積雪情報、雪崩発生状況をinfoexと、所定のシートに書き込みし一日の終わりになる。英語が不自由な僕にはかなりつらいが面白い作業。 積雪情報、雪崩発生状況シート
それが翌日以降の積雪安定性予測の材料になる。Infoexの情報http://www.avalanche.net.nz/は各地のスキー場やヘリスキーオペレーターから寄せられる。この情報等を基にして各地区の予報官から公共の雪崩情報も発信される。自分のスキー場で雪崩が起きていなくても同じ地区のスキー場やバックカントリーエリアで発生していればとても参考になる。自分の目で見ることができる範囲は限られているからだ。
以下がバックカントリーに出る人向けの公共の雪崩情報(超訳)
9月13日 16時56分発表 雪崩危険度 Considerable(考慮、6段階中3番目)
気象: 凍結高度も高く、気温の高い状態が一日中続く。明日の予報では、降雪が標高1300mから午後遅くに600mまで下がり、風は午後南向きに変わる見込み。
積雪構造: 標高2300m以下、全方位でモイストからウエットの積雪構造。高い標高帯(2000m以上)の日陰斜面では、まだアイスクラストと、ウェットのこしもざらめの層が存在している。
雪崩発生状況: 日向斜面で自然発生のサイズ1の雪崩が発生している。
トラベルアドバイザリー: 全方位、標高2400m以下の湿った積雪構造に注意が必要。凍結高度が下がるまで日向斜面では自然発生の雪崩が発生する見込み。
以上
でも、これってバックカントリー初めての人は、何を書いているか解らないと思う。ある程度知識がある人向けだね。予報官によって難しく長く書く人もいれば、短めの人もいる。
そして、もし場内で雪崩が発生し、誰かが埋まってしまった可能性があるときは・・・
ビーコンによる捜索とともに、 レッコ(日本では使用不可らしい)
電波を放射し、埋没者のジャケット、パンツに貼ってある反射板からの反射を拾い捜索する道具。最近進化し、小型化、ビーコンからの電波も拾える。さらに 1番目、2番目、3番目の捜索隊用の捜索キット。何年前からのものか解らないが、ちゃんと使える。
捜索隊を管理する人(ディスパッチ)のための管理シート 無線の親機がある場所の壁に貼り付けてある。
さらに同時に雪崩捜索犬を要請すれば、ヘリで飛んできて、発生から20分ほどで捜索が終わる予定。本当に犬の能力はすごく、実際に犬と訓練したときは5分ほどで2人掘り出せてしまい時間があまってしまったぐらいだ。
しかし今シーズン、ディスパッチ役を交えたミーティングを2回。実際に捜索練習は1回しかやっていない。実際に事故が起こればかなり混乱するだろう。今後もっとトレーニングをしなければ、いつか痛い目に遭うだろう。今後の課題。
最近スノーセーフティの仕事もやるようになった。担当者がやめてしまったからだが、人が補充されないから仕事が増えただけだ。でもやってみたかった仕事だから増えてもうれしい。
朝5時半に定点観測所で気象観測し、インターネットのinfoexという情報交換サイトに入力。
積雪安定予測および評価を所定のシートに書き込む。
雪崩管理が必要ならパトロールスタッフとミーティングし管理プランを立てる。
7時ごろ、ハイクアップを開始し、爆発物かスキーカットによる雪崩管理に入る。
エリアの安全が確保されたところから順次開放し営業に入る。
営業中は気象状況(降水、日射、気温、風向き等)に気を配り、スノーピット等を掘りながら、積雪情報を集めながら場内をパトロールする。積雪、気象状態に変化があり、必要があればエリアの閉鎖をして安全を確保する。
だから状況によって朝開放し、日中閉鎖、夕方開放するということもよくある。
常時閉鎖のエリアを作ってしまうとお客さんから信用されなくなり、クロージャーを無視する人がでてきてしまう。クロージャーといっても看板が立っているだけだけど。
でも見えないロープが張ってあるの?ってぐらいクロージャーを守る。守らない人がいたら出て行ってもらうだけだけど。
夕方スキー場を閉鎖した後、定点観測所で気象観測をして、今日集めてきた積雪情報、雪崩発生状況をinfoexと、所定のシートに書き込みし一日の終わりになる。英語が不自由な僕にはかなりつらいが面白い作業。
それが翌日以降の積雪安定性予測の材料になる。Infoexの情報http://www.avalanche.net.nz/は各地のスキー場やヘリスキーオペレーターから寄せられる。この情報等を基にして各地区の予報官から公共の雪崩情報も発信される。自分のスキー場で雪崩が起きていなくても同じ地区のスキー場やバックカントリーエリアで発生していればとても参考になる。自分の目で見ることができる範囲は限られているからだ。
以下がバックカントリーに出る人向けの公共の雪崩情報(超訳)
9月13日 16時56分発表 雪崩危険度 Considerable(考慮、6段階中3番目)
気象: 凍結高度も高く、気温の高い状態が一日中続く。明日の予報では、降雪が標高1300mから午後遅くに600mまで下がり、風は午後南向きに変わる見込み。
積雪構造: 標高2300m以下、全方位でモイストからウエットの積雪構造。高い標高帯(2000m以上)の日陰斜面では、まだアイスクラストと、ウェットのこしもざらめの層が存在している。
雪崩発生状況: 日向斜面で自然発生のサイズ1の雪崩が発生している。
トラベルアドバイザリー: 全方位、標高2400m以下の湿った積雪構造に注意が必要。凍結高度が下がるまで日向斜面では自然発生の雪崩が発生する見込み。
以上
でも、これってバックカントリー初めての人は、何を書いているか解らないと思う。ある程度知識がある人向けだね。予報官によって難しく長く書く人もいれば、短めの人もいる。
そして、もし場内で雪崩が発生し、誰かが埋まってしまった可能性があるときは・・・
ビーコンによる捜索とともに、
電波を放射し、埋没者のジャケット、パンツに貼ってある反射板からの反射を拾い捜索する道具。最近進化し、小型化、ビーコンからの電波も拾える。さらに
捜索隊を管理する人(ディスパッチ)のための管理シート
さらに同時に雪崩捜索犬を要請すれば、ヘリで飛んできて、発生から20分ほどで捜索が終わる予定。本当に犬の能力はすごく、実際に犬と訓練したときは5分ほどで2人掘り出せてしまい時間があまってしまったぐらいだ。
しかし今シーズン、ディスパッチ役を交えたミーティングを2回。実際に捜索練習は1回しかやっていない。実際に事故が起こればかなり混乱するだろう。今後もっとトレーニングをしなければ、いつか痛い目に遭うだろう。今後の課題。
by iwaobum
| 2010-09-28 11:33
| ニュージーランド冬